USE RULE
―はじめに―
湖南アルプスの岩場が開拓されて今年でちょうど20年になる。ジムや高難度エリアが目白押しの現在では、もはやこの岩場の役割は終わったのかもしれない。しかし、フリーエリア、とくにクラックが圧倒的に不足していた当時としては貴重な存在であった。そしてなにより、わたしが京都にて再開したクライミングの原点がここにある。オールドクライマーのノスタルジーか、はたまたページの無駄使いと言われそうだが、いちおう足跡としてここに記しておこうと思う。
大津 湖南アルプス天神川周辺の岩場
モアイ岩 ■河原のボルダー
不動尊前の河原にある大きなボルダ―
★右カンテ(前傾のスローパー課題 グレード不詳)
★正面(クラックを使ったフェイス 5.10aくらい)
★左(流れの上に張り出したルーフクラック グレード不詳)


■タコハイ・ボルダー
河原のボルダーの上流100m右斜面。トップロープ用リングボルトは要注意
★右カンテ 5.9
★左カンテ 5.8

■モアイ岩
タコハイ・ボルダーの少し上。それとすぐにわかる
@ルンゼ状チムニー 5.7?
 カム・ナッツ類が買えず、ポケットに河原の石ころを入れて
 チョックストーンを噛ましながら拓いた思い出の一本。
 おもえば、あのころは純粋だった。
Aフェイス 5.7
Bモアイクラック 5.7?
Cノーズ 5.7


■サラマン子岩

河原のボルダーより一つ上流の枝沢に入ってすぐの左岸斜面
★サラマン子 5.9
 六甲・保塁岩にある三ツ星クラック「サラマン」を小さくしたような前傾クラック
★おむすびコロリン 5.9
 サラマン子裏の転げ落ちそうなおむすび岩のクラック
アミダ岩

■アミダ岩
エリア内で一番すっきりしたフェイス

@マスターズエッジ 5.10b 
  カンテを使ったカウンターバランスと極小ホールドを拾う三ツ星ルート
A観音スラブ 5.9
  観音様の形をしたフェイスの弱点をたどる好ルート
Bアミダクラック 5.8
  アミダ状のクラックをたどる(現在泥が詰まって登攀不可)

デビルズ・イヤリング

■デビルズ・イヤリング 5.10b

トランプのジョーカーの顔に似た岩で、林道からはルーフでもがくクライマーがまるでイヤリングのように見える。
この一本のクラックにはジャミングテクニックがいっぱい詰まっている。
おかげで当時だれもが目標にしていた六甲のサラマン(5.9+)をオンサイトすることができた。

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―温故知新―
 執筆にあたり、クライミングジャーナル19号(現在休刊)を20年ぶりにめくってみた。クロニクル欄では5,10台の記録が多く、当時の水準がうかがえる。現在ほどの円熟したクライミングではないものの、まっすぐな姿勢や熱いスピリッツが行間から伝わってくる。一瞬、あのころの岩の感触、風のにおいが五感をよぎった。……久しぶりに訪ねてみようか、もしかしたら忘れていた物が見つかるかもしれない。

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