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■宮崎県延岡市 大崩山系・小積ダキ

大台ケ原 1995 サマーコレクション

【所在地】 宮崎県延岡市上祝子
【岩質】 花崗岩

【情報】
キャンプは、山荘前広場が適地。湧塚コースから小積ダキ
取り付きへと分かれる分岐付近に岩小屋がある。
下降は坊主尾根をたどるのが無難である。

【アクセス】
JR延岡から上祝子行きバスあり。
車だと祝子川沿いの道を登山口まで入れる。
「中央稜」「蜘蛛の糸」への取り付きは、登山口より沸塚
コースを約2時間。「京都エクスプレス」「呉越同舟」へは
林道終点から坊主尾根経由で中央ベランダまで約3時間
(下部取り付から坊主谷をつめることもできる)。


【ルート概要図】
【中央稜】X A1
【開拓初登】 1960年5月3日 原口幹雄 村川吉禧
【スケール】 285m 
【登攀時間】 5h〜7h
小積ダキで最初に拓かれたスタンダードルート。下部3ピッチは単調なアブミの架け替えに終始する。
中央ベランダからの上部壁がこのルートの本領で、下部「蜘蛛の糸」から上部「中央稜」へとつなぐとフリー性の高いスッキリしたクライミングがたのしめる。
【蜘蛛の糸】X+A1
【開拓初登】 1977年12月4日 増原新一 永井久雄
【スケール】 315m
【登攀時間】 6h〜8h
ジャミングのジャの字も知らなかった青二才のころ、かの悪名高きバッツオことウォーレン・ハーディングの著書「墜落のしかた教えます」に感化されて拓いた、ちょっぴりアメリカン風味のルート。
初登時はネイリング、バットフック、Tチョック等を駆使したが、いまの技術なら少しのハーケン(残置なし)とカム類(Lサイズは複数)とアブミがあれば大丈夫だろう……たぶん。
※バットフック=弱点のないスラブにジャンピングで穴をあけてフッキングする方法(もちろん邪道である)
【京都エクスプレス】5.10a AA2
【開拓初登】 1987年5月5日 大西一彰 中野伸次 永井久雄
【スケール】 165m
【登攀時間】 5h〜6h
猫も杓子も手のひらを返したようにクラックからフェースに宗旨がえしていった時代。そんな時流に逆らい、名張クライマーの頑固一徹を貫いて拓いたルート。
とはいうものの、孤高を誇るがごとき聳え立つ岩塔を前にした時、ワンプッシュ・オールフリーという野望はあっけなく粉砕されてしまった。(これより三ヵ月後、神の気まぐれにより芹谷を発見。頑固一徹もここまでで、大いなる変節のはじまりであった)
【呉越同舟】5.11b AA2
【開拓初登】 1993年5月4日 明川浩之 唐橋芳和 永井久雄
【スケール】 165m
【登攀時間】 8h〜10h
フレンチとアメリカンという対極にあるクライミングスタイルの融合による実験的ルート。
リス、クラックのあるピッチはエイドによるグランドアップで、フェイスのピッチはラッペルによるプロテクション設置というかたちで拓かれた。弱点がとぼしく草付きの多い国内の岩場において、「純粋に岩だけをさわって登れるルート」を拓くには合理的なスタイルだと思われた。が…… いま思い起こすに、わたしのクライミング観が衰退をはじめたのはこのころからである。
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